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LEDのV-Iカーブの回帰分析--「LabVIEW Community Editionでプログラミングを楽しもう」その後

昨年の「LabVIEW Community Edition」リリースを記念した日本LabVIEWユーザー会 有志による 完全無料の電子書籍「LabVIEW Community Editionでプログラミングを楽しもう」のダウンロードサイトでは別冊「電気の話シリーズ」が公開されています。

 

ダウンロードサイトはここから 

 

(その5)から(その7)は「LEDのV-Iカーブ測定VIを自動化したい」というタイトルでためになる話が展開しています。

 

昨年の夏に書かれていますが、その7の5ページ目に

「青色LED を測定してみた(図 7 4 )。 データは取れたのだが、回帰分析のカーブがいまいちフィットして
いない。 今回 は モデル の 解析 ま で は 手 を 出 さ な い こ と に し よ う 作者 さ ん よ ろ し く 。」

と書かれていることに気が付いたのはつい先週のことでした。

 

 

気の利いた方法があるかしばらく考えてみたのですが、あまりうまくいかなかったので、愚直とも力業とも言える方法で作成してみました。

なぜ「いまいちフィットしていない」かと言えば、測定データの中で内部抵抗が効きだしてくるポイントが測定の仕方やLEDの特性によって変わってくるからです。可能なすべての方法で回帰分析をして一番誤差が少ないものを選べば、内部抵抗モデルで最大限フィットするものが得られるはずです。

 

フロントパネル.png

 

愚直な内容なので、ここまでで先が見えた方は時間の無駄になると思います。

 

ところで、「LEDのV-Iカーブ測定VIを自動化したい」ときの方法として、DA変換モジュールを使うのも一法です。DA変換モジュールとしてはMCP4725というものがあって350円ぐらいなのでお勧めです。MCP4726というのは使ったことはありませんが、150円なのでもっと安いですね。

 

 

 

2021.1.18

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手元にあったメイカー不明の数種類のLEDの電圧電流特性を測定しました。添付ファイルの「LEDデータ」フォルダーにタブ区切りのテキストファイルで保存してあります。

 

I2C接続のDAコンバータMCP4725で自動測定しようとも思いましたが、MCP4725用のサブVIを「ラズパイ X ArduinoでI/O LabVIEWコンピュータプログラム集」のCDに収録してあって、諸般の事情で差しさわりがありますので安定化電源の電圧を手動で変えながらデータをとりました。

 

とりあえず、指数回帰でどの程度合わないか見てみます。

 

expFit.png

 

フロントパネル1.png

 

データ全体で回帰するとあまり一致しないことが確認できると思います。

 

21.01.19

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内部抵抗モデルではLEDが純粋なPN接合ではなく、直列に抵抗が接続されていると考えます。

LEDに印加された電圧はPN接合部分と内部抵抗部分に分圧されます。外部からテスターでそれぞれの電圧を測定することができれば簡単なのですが、それはできません。

 

次のモデル式は、流れる電流の大きさによってPN接合部分と内部抵抗部分の分圧が与えられるというように考えることができます。左辺は印加電圧、右辺の第1項はPN接合部分の分圧、第2項は内部抵抗部分の分圧です。

 

モデル式.png

 

PN接合はその分圧が少し大きくなるだけで電流が大幅に増加し、電流に比例して内部抵抗の分圧は大きくなります。そのため、印加電圧が大きくなるにつれて内部抵抗の分圧が優勢になって電流の増加が抑えられるようになります。

電流が小さな領域と大きな領域を分けて考えることによって、PN接合部分と内部抵抗部分の回帰分析を行うことができます。

 

回帰分析のサブVIは「LabVIEW Community Editionでプログラミングを楽しもう」で添付したものとほとんど同じですが、PN接合として回帰するデータ数を指定する制御器と、全体の回帰誤差(RMS)の表示器を追加しました。元のサブVIでは測定した最小電流の2桁以内をPN接合として回帰していましたのでLEDの特性や測定方法によっては今一つ合わないという結果になっていました。

 

SubBestFit.png

 

フロントパネル3.png

 

今回のプログラムではPN接合として回帰するデータ数を3から1ずつ増加して、全体の回帰誤差(RMS)が最小となるところを見つけて表示しています。

 

BestFit.png

 

フロントパネル2.png

 

以上です。

このような解析方法は導電性プラスチックとか導電性ゴムとかの解析にも応用できる場合があるのではないかと思います。

 

21.01.19

 

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