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セトリングタイムについて

私は、PCI-6259を使用しています。仕様書には、ステップの±15ppmで入力範囲±10v、±5V、±2V、±1Vの場合、マルチチャンネル計測時の整定時間(セトリングタイム)は、1.5μ秒となっています。16bit分解能でのADCを保障する最大のサンプリング集周波数は、1.5μの逆数つまり、666.7[kHz]でよろしいのですか?
また、同整定時間(セトリングタイム)において、ステップの±15ppmで入力範囲±0.5Vの場合2μ秒、±0.2、±0.1Vの場合8μ秒となっており、入力範囲が小さくなるにつれ、セトリングタイムが長くなっています。どうしてですか?
 
 
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>私は、PCI-6259を使用しています。仕様書には、ステップの±15ppmで入力範囲±10v、±5V、±2V、±1Vの場合、マルチ
>チャンネル計測時の整定時間(セトリングタイム)は、1.5μ秒となっています。16bit分解能でのADCを保障する最大のサンプリ
>ング集周波数は、1.5μの逆数つまり、666.7[kHz]でよろしいのですか?
まったくそのとおりです。したがって、セトリングタイムを考慮すると、ボードの実際のスキャンレートは低下します。ボードを購入する場合は、カタログ上の表題にかいてあるような「1MS/sec!」という記述は信用しないことです。正確には、このセトリングタイムをきちんと考慮しないといけないのです。
システムインテグレーターの方は周知の話ですが、ほとんどのユーザーならびにベンダーは知らないことなので、購入後に「駄目じゃないかー」と気がつくことがあります。DAQボード購入時は、この筋に詳しいユーザーに意見を聞いたほうがよいでしょう。
 
 
 
>また、同整定時間(セトリングタイム)において、ステップの±15ppmで入力範囲±0.5Vの場合2μ秒、±0.2、±0.1Vの場合8μ
>秒となっており、入力範囲が小さくなるにつれ、セトリングタイムが長くなっています。どうしてですか?
これは、搭載されているアナログデジタルコンバータの入力範囲に合わせて、増幅を行なっていることによる影響です。
ほとんどのDAQボードには、±5Vのアナログデジタルコンバータが搭載されています。
もし、入力範囲を±5Vと設定して測定を実行する場合は、その入力範囲がアナログデジタルコンバータの入力範囲に等しいので増幅する必要がありません。
しかし、入力範囲を±0.1Vに設定したとします。その場合は、アナログデジタルコンバータの入力範囲±5Vに合うようにDAQボード内の初段回路で増幅率50倍で増幅する必要があります。
この増幅率は大きくすると周波数特性が悪化するので、セトリングタイムは長くかかるようになります。
 
 
 
補足
増幅器は利得を大きくすると周波数帯域が狭くなり低周波しか増幅できなくなる特性を有しています。
それは添付した図のように考えられます。
添付した図は、私が実際に作成した回路とその利得(gain)-周波数特性です。
利得が大きくなると周波数帯域が狭くなる様子が確認できます。
オペアンプは出力端子をフィードバックさせることで増幅率を制御しています。
この回路におけるフィードバックの抵抗は20kΩの可変抵抗部分です。
この可変抵抗を大きくすると利得は大きくなります。しかし、抵抗が大きくなるということは、フィードバック電流が小さくなるということであり、フィードバックの反応が鈍くなってきます。したがって、フィードバックの抵抗を大きくすると、周波数特性が狭くなり、高周波が増幅しにくくなります。
高周波が増幅しにくくなるということは、電圧変化に対する追従が遅くなるということです。したがって、セトリングタイムが大きくなるのです。
 
 
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